ウサギについて

生態

一般的にカイウサギはウサギ目ウサギ科アナウサギに分類され、ヨーロッパアナウサギが起源とされている。
アナウサギは地中生活を行い、野性では捕食される動物で、周辺を感知する大きな耳介、頭蓋の横に位置する視野の広い眼球、そして優れた跳躍力をもつ動物である。
さらに食糞という特殊な消化生理をもつ完全な草食動物である。
カイウサギの多くは現在、ペット用に改良され、ドワーフ種(小型)から大型種まで、現在約150もの品種がみられる。

飼育セット

狭いケージ内の飼育は、運動不足による肥満、ストレス、餌箱やメッシュケージの齧癖等が好発する。
ウサギには四肢にイヌ・ネコのような肉球がないので、硬い床で飼育すると肢端皮膚炎を発症しやすく、重症例では骨髄炎に移行し、歩行困難を呈する。
また、相性の悪い個体同士を同一ケージで飼育すると、喧嘩がみられ咬傷を負う。

温度・湿度・照明

暑さに弱く、寒さに強い動物である。特に約30℃以上の高温では熱射病になりやすい。
加えて湿気にも弱いので、梅雨の時期などは風通しをよくしなければならない。
高温、多湿の環境に加え、排泄物や給水器の水漏れ等による汚染が、呼吸器疾患や湿性皮膚炎等を引き起こす。

食餌

ペットのウサギは、食肉目のイヌ・ネコと同様に扱われているか、または擬人化して、食パン、ごはん、果物等を多給される傾向にある。 草食性であるウサギはこれらの食物に適応できず、下痢を呈したり、脂肪肝等の内臓疾患がみられる。
本来は繊維質の多い植物で歯を摩耗しながら咀嚼するが、上記のような給餌を行うことにより、不正咬合が多発する。
基本的には乾草を中心に野菜、野草、高繊維のペレットを与え、果物等は時々コミュニケーション程度に止める。

ケア

春と秋には換毛が行われるが、飼育下の個体では、換毛の時期がずれることがよくみられる。
たいていは毛繕いすることで被毛を自分でなめとってしまうことが多いが、ネコのように毛球を吐き出すことができないので、毛球症の原因となる。
したがって、ブラッシング等の被毛のメンテナンスが必要となる。換毛期には頻回にブラッシングする必要があるが、特にアンゴラ、ジャージーウーリ、ライオン種などの長毛種には、毎日行わなければならない。
毛球予防(除去)製品を与えるのもよい。最近は専用のシャンプーやドライシャンプーも市販されているが、ウサギは本来湿気に弱く、被毛は一度濡れるとなかなか乾燥しない特徴がある。

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