シマリスの肺炎の原因と治療法

シマリスの肺炎について

幼く体の弱いシマリスは肺炎に罹りやすく、飼主の家に来たばかりの、約1週間以内に発症することが多い。
飼育環境(温度、湿度の変化)、ストレスにより発症すると考えられる。
原因は、細菌性としてKlebsiella属菌、連鎖球菌(Streptococcus属菌)、ウイルス性としてインフルエンザウイルス(Influenzavirus)等や、寄生虫性としてハイダニ(Pneumocoptes penrosei)に起因する。

軽症例では鼻腔または気管、気管支からの異常音やくしゃみだけであるが、次第に鼻汁、呼吸困難等がみられ、重症例では食欲不振等を呈し、衰弱してくる。
病院ではX線検査により肺炎像を確認し、鼻汁等から菌分離を行う。
しかし、重症例では強制的に保定を行うと、心肺機能に負担をかけてショックにより急死する可能性が大きく、状態によっては、特異的な症状から診断する場合もある。ハイダニは気管支洗浄により成体を検出する。

治療は、一般的に抗生物質の投与を行う。支持療法として気管支拡張剤、抗ヒスタミン剤、消炎酵素剤等の投与、食欲不振がみられる症例には補液、点滴、強制給餌を行う。
ハイダニにはイベルメクチンの投与を行う。重症例の肺炎の多くは予後不良である。

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