子宮蓄膿症

Q.先週、私の妹のイヌが子宮蓄膿症で死にました。子宮蓄膿症とはどんな病気なのでしょうか。
どんな治療をし、どうしたら予防できるのでしょうか?何かよい方法はありますか?

子宮蓄膿症は子宮に起こる感染症です。この病気は命にかかわる危険なもので、救急処置が必要です。特に、子宮頚が閉じてしまって子宮内にバイ菌が閉じ込められてしまった場合は、非常に危険です。
この病気は、避妊手術を行っていない中年から老齢のイヌとネコに発生します。そして、その多くは、発情の2~3週間後に発生します。

 子宮蓄膿症になると子宮からの毒素が急速に広がるため、さまざまな症状が現れます。通常元気と食欲がなくなり、嘔吐や下痢に悩まされ、水をたくさん飲んで頻繁に排尿するようになります。
 子宮頚管が開いている場合は、黄色からピンク色がかったおりものが見られることもあります。ペットが自分で局部をなめてしまって、おりものに気づかない場合もあります。

 これらの症状に気づいた場合、ただちに獣医師にみてもらってください。救急処置をしないと、毒素によって腎臓が障害を受けたり、あるいは子宮が破裂して中のウミが腹腔内に流出してしまうことにもなりかねません。

 子宮蓄膿症の診断は、血液検査、レントゲン検査、あるいは超音波検査、膣の分泌物の顕微鏡検査によって行われます。
治療は、外科手術で子宮と卵巣を摘出するのが一般的です。しかし、繁殖に用いるメスイヌなどでは、手術の代わりに薬で治療を試みることもあります。

 子宮蓄膿症の正確な原因についてはまだわかっていませんが、動物が歳をとってくると、妊娠していない期間が長引き、発情周期が不規則になり、あるいは偽妊娠したりするため、発生しやすくなるといわれています。

 子宮蓄膿症は予防がいちばんです。メスの動物は避妊手術をすることで、子宮蓄膿症にかかるという心配から永久に開放されます。
また、1歳になる前に避妊手術をすると、晩年に乳がんになる確率が大きく減少することもわかっています。

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