パルボウイルス

Q. 私のイヌはつい最近具合が悪くなり、もどしたり下痢したりしました。獣医師に検査してもらった結果、パルボウイルスにかかったことがわかりました。
ワクチンを打っていたのに、そんなことってあるのでしょうか?

感染力が強く、ペットを死に至らしめることもあるパルボウイルスは、ときに突然変異を起こすため、ワクチンを打っていても感染することがあります。ただし、感染しても、ワクチンを接種していれば、症状が軽くてすむ場合もあります。

ワクチン接種が効かないほかの理由としては、ワクチンの期限が切れていたり、あるいは適切に取り扱われていなかったりしたことが考えられます。また、イヌの免疫反応が正常に機能しない場合もあります。

パルボウイルスは非常に強く、高温でも数ヶ月生きのびるといわれています。ですから、靴にくっついて外から家の中に運び込まれることもあります。あなたのイヌがほかのイヌと接触していなくても、感染の危機にさらされるわけです。

パルボに感染すると、まずはじめに元気がなくなり、食欲もなくなります。次に嘔吐がはじまり、下痢をして脱水状態になります。下痢はたいへんな悪臭を放ち、血便が混ざることもあります。

パルボウイルスは免疫機能を攻撃するため、病原菌と戦う役目をする白血球の数が減少します。動物病院では隔離室に入院させ、たえず血管内に電解質液を点滴し、二次的な細菌感染を防ぐための抗生物質などを投与しなくてはなりません。できるだけ早い時期に、できる限りの治療を行うことが欠かせないのです。

すべてのイヌは、ジステンパー、コロナウイルスワクチンに加えて、パルボワクチンの接種を受けるべきです。初回のジステンパー‐パルボの混合ワクチンは、子イヌの場合は生後6~8週の間に打ちます。その後16~19週齢に達するまで、3週間おきにくり返して接種します。20~24週齢になるまでワクチンを接種するように指導している獣医師もいます。
そして満1歳になったら、再びジステンパー‐パルボ混合ワクチンを打ちます。この命にかかわる恐ろしい病気を予防するためには、その後毎年年1回ワクチンを接種していくべきでしょう。

イヌはすべて、毎年正しくワクチンの接種を受けるべきです。特に歳をとると抵抗力が弱まるので、パルボにかかりやすくなります。ほかのウイルス性の病気もそうですが、パルボは突然変異をして形を変えていくので、そのためにも最新型のワクチンを毎年きちんと接種していくべきでしょう。

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