犬の代表的な病気④

よく見かける眼の病気

瞬膜腺の病気

瞬膜とは第3眼瞼といわれているもので、目頭の方から出入りするうすい膜状のものです。その瞬膜の裏側の部分にはリンパ様の組織があります。この瞬膜の裏側に、あたかも、タラコかカズノコを見るようなぶつぶつが出てきて、犬は粘液様の眼やにを出し、涙が多くなります。これは、意外に多いものですが、普通飼い主は気づきにくいので注意してみてください。
この病気は、点眼薬で改善が見られますが、症状の進んでいるものは、外科的切除が必要です。手術後は1日に5~6回、約1週間程度、点眼薬を適用する必要があります。

涙やけ

涙やけは、涙があふれ出して眼の周りの毛が茶色く着色している状態のことです。涙が多くなる眼の病気は、すべて涙やけになります。
毛の白い犬では、特に眼の周囲の汚れが目立ちます。涙やけの一般的な原因としては、鼻涙管狭さく、または閉塞などが多く、マルチーズ、トイ・プードル、シーズィ、ペキニーズ、その他眼の丸く大きく飛び出している種類に、多く起こります。 できるだけ早く、診察を受け、涙のあふれる原因をつきとめて、治療してもらうことです。

外傷性角膜炎

犬は、他の動物とのケンカなどで、角膜(眼の1番表面)に傷を受けることがよくあります。 また、眼の周りの皮膚病や、かゆみを伴う眼の病気などを気にして、自分で眼をこすり、角膜に傷を付けてしまうことがあります。涙を流し、眼を開くことができず、やがて眼の表面は白く混濁してきます。
傷は、ごく浅いものから、他の眼の病気を引き起こす原因となるほど深い傷にいたるものまで、さまざまです。
外傷性角膜炎は眼球内部の病気に進行することが多いので、ただちに、獣医師の適確な診断と治療を必要とします。

まつげの乱生、重生

いわゆる逆さまつげのことで、まつげが2列にはえていたり、あるいは不規則に配列していることをいいます。
これらのまつげが結膜や角膜を刺激しなければ問題はありませんが、刺激して涙が多く流れ出たり、眼瞼がけいれんするような場合は、治療しなければなりません。このような異常なまつげの数が少ない場合は、毛を抜くことで、一時的に治るものもありますが、数が多い場合には手術が必要となります。

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