猫に関するQ&A

Q&A

Q1:尿マーキング(尿スプレー)の対処法

尿マーキングには、発情に伴う「性的マーキング」と「不安やストレスのためのマーキング」があることが、最近の研究で明らかになりました。 「性的マーキング」は、去勢や避妊手術をすればほとんど解消していますが、後者の「不安マーキング」は、その猫にとって「不安やストレス」が何であるのかを考えることが大切です。  例えば、室内を改装したり、新しい家具が入ったりということが原因となることもあり、家族や他の動物が新しく加わったということも不安やストレスの原因に挙げられます。  今までは、尿マーキングされた場所に食器を置いて、そこで食べさせるとか、近づけないように植木鉢を置く、尿スプレーをしそうになったら水鉄砲や霧吹きなどで猫に水をかけて罰を加えるなどの方法が取られていましたが、最近では猫の「顔こすり」でマーキングされる「フェイシャル・フェロモン(顔から分泌されるフェロモン)」の製剤を尿マーキングされた場所に散布すると防止効果があることが証明されていますので応用すると良いでしょう。

Q2:猫の家出を防ぐには

猫の家出を防ぐのに基本的なことは、まず、猫の優先権を大切にしてやることと急激な環境の変化は避けるか、できるだけ緩和してやることです。  前から猫を飼っていて、新しい猫を迎える場合は、新しい猫にはかわいそうですが、前からいる猫のほうと一緒にいる時間を多く取り、前からいる猫の優先権を大切にしてあげ、新しい猫が前からいる猫に付きまとうようだったら軽く叱ってやると良いでしょう。  引越しの際、子猫や若い猫では新しい環境に適応する能力があるのですが、数年間、あるいは、それ以上に生活していた環境から、他の新しい土地へ引っ越した場合には、家族の顔ぶれは同じであったとしても猫にとっては安心できる場所とはいえません。  引越し先に適応させるためには、猫のトイレはもちろんのこと、好んで寝ていたソファーやマット、座布団など猫の匂いがついているもの、古くなって捨ててしまいたくなるものでも持っていくことです。新しい部屋に落ち着くまでに1~2週間ほどかかるかもしれませんが、その間は猫が外へ出ないように十分用心してください。  猫の性格にもよりますが、少なくとも1ヵ月間は新しい安息できる住家として認識する期間と思ってください。

Q3:猫の交通事故を防ぐには

出入り自由で飼われている猫が、夜間交通事故に遭うケースが多く発生しています。  夜間は運転手が猫を認識するのが難しいということもあるでしょうが、夜行性である猫が夜になるとその行動が活発になり、夜の集会等で仲間を追いかけたり、発情中にメス猫の争奪戦で周囲の様子に関わりなく、突発的な行動に出やすいために事故に遭う確率が高くなると思われます。  また、猫の眼は夜行性動物特有で光を集めて暗い中でも見えるように鋭敏になっているので、車のヘッドライト等の強烈な光に照らされると目がくらんで道路の横断中に立ち止るため事故に遭いやすいという点や、猫が物をはっきり見ることのできる距離は2~6メートルと言われており、6メートル以上になると像がぼやけて動いているものでも止まっているように見えるらしく、そのためかなりのスピードで走ってくる車に対してうまく対応できないということがあると考えられます。  このような不幸な事態を招かないようにするためには、去勢手術や不妊手術をし、交通量の多い地域では、屋内飼育にすることが一番の対策です。  また、オス猫はメス猫の発情期などにはかなり遠方まで徘徊するので、事故に遭遇してケガの程度がひどい時は、家に帰り着くことができず、途中で絶命してしまうことさえあります。善意の方が保護して手当をしてくれても、どこの家の猫か不明と言うこともあるので、猫には首輪をつけて、飼い主の電話の番号などを記した迷子札もつけておくと良いでしょう。

Q4:ネコノミ対策

梅雨頃から秋口までノミが大発生して、犬や猫に寄生し、動物たちを悩ませるだけでなく、部屋中に寄生してノミだらけになり、人にも危害を及ぼします。  シャンプーしたくらいではノミの発生は食い止めることができませんし、猫はシャンプーを嫌いますから駆除剤(殺虫剤)を使うことをお勧めします。  最近では、犬や猫に副作用の心配がない殺虫剤が入手できるようになりましたので獣医師の指示で安全な薬を使用してください。  駆除剤には、首輪型のもの、スプレーで体に散布するもの、内服薬、注射薬、滴下式薬などさまざまなタイプのものがあり、その効果も猫に寄生しているうちに速効的に作用し、さらに持続性のあるもののほか、寄生しているノミには殺虫作用を持たないが、産み落とされたノミの卵が幼虫になることを阻止する作用(発育阻害作用)を持つものもありますから、それぞれの特徴を活かした効果的な使い方をすることが大切です。  室内でノミが大量発生した時は、猫の体に寄生しているノミだけでなく、室内の絨毯や床のフローリングの隙間などに落ちているノミの卵も除去しないと次の発生源になります。このような場合は、電気掃除機で丁寧に毎日掃除する他に、殺虫剤と発育阻害剤を併用すると良いでしょう。

Q5:爪研ぎの対策は?

屋内飼育では、猫が家具や柱や絨毯などで爪を研いで傷つけてしまうことがしばしば問題になります。 「爪研ぎ」行動を一切禁止するのは、猫の大切な習性を抑制することになり、健康上不都合があり、また、かわいそうでもあります。 禁止するのではなく、爪研ぎをしてよい場所を作ってやり(市販や自作の「爪研ぎボード」を用意する)、それ以外でやることを禁止するという方法を取ってください。  爪研ぎ行動が見られたら、叱らずに猫を「爪研ぎボード」のところへ抱いて行き、前肢をつかんで教えてやるとよいでしょう。自分の足の裏の匂いがついたボードを確認して、そこでするようになるものです。また、同じ行動圏内の子猫は、しばしば母猫が利用した爪研ぎの材料を学習して、同じものを利用することがあります。すでに「爪研ぎ」されて爪跡がついた家具やソファには近づけないように植木鉢を置いてしまうとか、爪が引っかからないようにプラスチック板を粘着テープなどで仮留めしておくのも予防対策の一つです。

Q6:近隣の猫の排泄対策は?

猫に庭や花壇を汚されて困るという苦情は、迷惑行動の中で常に上位にランクされています。現在のところ、これに対する決定的に有効といえる方法はなかなかありませんが、猫の習性等を利用した対策として、次のようなことが考えられます。  猫が排泄していく場所は、猫にとって快適で安全である所や何らかの猫を引き寄せる要素(食べ物、メス猫の匂い、糞にかける土や砂がある等)があり、自分の縄張りであることを示すためにマーキングの意味合いで用を足していくことが考えられます。  被害を受けている家庭の庭は、砂利や植木鉢で汚されやすい場所を覆ったり、猫がマーキングの標的とする不用な物を片付けるなどして猫のトイレとして不適当な条件に改めるのも一つの方法です。また、猫が侵入してくるにはある程度決まったルートがあるので、そこを塞ぐことなども考えられます。  猫が繰り返し糞をしていく場合には、糞の匂いが残っていると大抵その周囲にしていくので、匂いが残らないように後始末をするとよいでしょう。(洗剤や水で洗い流す、消臭剤、茶殻、コーヒー殻を撒くなど)。  また、猫を寄せ付けない忌避剤や猫のシルエットをかたどった「かかし」のような効用を狙った製品も開発されていますが、猫の個体差や、周囲の状況もさまざまなことから、確実で持続的な効果があがる方法はないようです。  猫は警戒心が旺盛なので、これらを設置しっぱなしにするのではなく、時々配置を変えたり、複数の方法をとることで相乗効果が期待できます。 猫は大きな音や水に濡れるのを嫌うので、猫が侵入しているのを見かけたら、園芸用の霧吹き器などにより水をかけたり、大きな物音で驚かすなどして、猫にその好ましくない行動と自らが不快感を覚える体験とを結びつけさせていくのも一つの方法です。また、可能であれば自分の家か飼い主の庭の一角に小さな砂場等、猫が好む排泄しやすい場所を作るなどして、特定の場所にさせるようにするのも一つの方法かと思われます。その他、自分の家で犬を飼い、庭をその犬のホームレンジとする方法も考えられます。  猫による迷惑や苦情は近隣間のコミュニケーション不足も大きく影響してくることも考慮する必要があります。

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