ウサギの疾病
(神経筋骨格疾患)

神経筋骨格疾患

ウサギの神経疾患は微胞子虫以外は予後がよく、骨折脱臼は予後がよくない。
元来敏捷性を持ち、外敵から逃走して身を守る動物なので、運動系に問題が起きると生活環境においておおくの問題が生じる。

開張脚

遺伝的疾患で一般に4ヶ月齢に達するまでにみられる。
侵された動物は敏捷であるが、手足のうち少なくとも1つを内転させることができないため、遊泳運動で移動しようとする。
この異常は片側もしくは両側性であり、前または後脚あるいは両側が侵されることもある。長期の予後は不良である。

外傷性骨折

ウサギは骨質が薄いこともあり、骨折しやすい。特に脊椎の骨折や脱臼を起こすことが多い。
キックしたときの強い筋肉の収縮によって、比較的強度の低い脊椎が脱臼したり、骨折する力が生じる(第七腰椎が一番の好発部位である)。
保定のミス、狭いケージ、肥満など腰に負担がかかる原因によって起こる。
症状は後躯麻痺、肛門括約筋や膀胱のコントロール喪失である。
診断はレントゲン検査で病変部を特定する。
脊椎の骨折の治療は外科的に脊椎を安定化させるか、ケージレストにてステロイドの投与である。

脱臼

股関節や膝関節、肘関節に多く見られる。
ケージ内で暴れたり、無理な保定により発生する。
特に股関節は犬猫以上にしっかりしているので、脱臼しづらいのである。
その半面、脱臼した場合は非観血的な整復は困難である。
ピンやネジを使用しての観血的整復が必要である。

斜頚

内中耳の細菌感染が原因であることが多い。
例えば耳ダニの感染であるとしても蔓延することは少なく、おそらく細菌感染と混合していると考えてよい。
症状は急性のものと、進行性のものとがあり、斜頚のほかに運動失調、起立不能である。
この段階では通常、食欲は低下しない。
また眼球しんとう振盪や顔面神経欠損の症状は、脳や髄膜に病変がある可能性を示している。
長期に症状が続けば摂食も困難になり、衰弱してしまう。
治療は脳血液関門を通過する抗生物質を中心に、食糞ができないためにビタミンBを投与することである。
時にはステロイドの使用も必要である。

微胞子虫
(Encephalitozoon cuniculi)

levaditiら(1923)がウサギの肉芽腫性脳炎の病理組織の中に認めたのが最初で、ウサギのほかにもマウス、モルモット、ハムスター、犬、人等を宿主とし、全世界に分布している。
この原虫は経口摂取された後に腸壁に侵入し、血中へ入り、脳、腎臓、肝臓、脾臓などに寄生する。
伝播経路は明確ではないが、排泄物からの伝播が最も可能性が高いとされている。
病原性は、通常慢性的に感染し、不顕性である。
感染ウサギでは、痙攣、不全麻痺などの神経症状を示すことがある。
診断は、組織材料の病理学的検査による。

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