ウサギの疾病
(泌尿生殖器疾患)

疾病

泌尿生殖器疾患

ウサギは生理的な有色尿を呈するので、血尿、陰部からの汚露との鑑別が素人では困難であることが多い。
泌尿器系疾患は加齢とともに発生が多くみられる。

子宮疾患

子宮内膜の変化(子宮内膜症、子宮内膜炎、乳頭過形成、嚢胞性過形成、腺腫様過形成)と腺癌がよくみられる。
症状は初期は無症状であるが、攻撃性を持つ雌もいる。
次第に持続的偽妊娠(嚢胞性乳腺腫等)、受胎率低下、流産死産、陰部からの出血がみられる。
診断は臨床症状とレントゲン検査で鑑別する。治療は卵巣子宮摘出手術である。

出生前死

ウサギは13日前後と20~23日目ぐらいに流産することが多い。
原因は妊娠中毒、ビタミンE不足、ビタミンA過剰、高熱、感染症、硝酸塩(アルファルファ、クローバー、オーチャード草、チモシーなどに多く含まれている)などである。

血尿

異常尿で血液が混入している場合は、膀胱炎、膀胱ポリープ、腎盂腎炎、尿石症等が考えられる。
もちろん生理的なポルフィリン色素や餌の代謝産物に関する有色尿がみられることもある。
生理的有色尿は症状を示さないが、膀胱炎、膀胱結石では排尿障害、食欲不振等がみられる。
診断は尿検査、血液検査、レントゲン検査で行う。

乳腺炎

原因菌はE.coli、Pseudomonas、Pasteurella、Klebsiellaなどである。
エストロジェンの増加、子宮過形成、子宮腺癌に関連して発生する。
また乳腺の外傷による感染として敗血症が起こる。症状は乳腺の腫脹、紅斑、熱感がある。
敗血症の乳腺炎では発熱、食欲不振等もみられる。
治療は抗生物質または卵巣子宮摘出手術である。

共食い

雌が分娩後に新生仔を食べてしまうことがある。
特に初産時や衰弱している仔が食べられることが多い。
ストレスやビタミン欠乏、不十分な巣、自分以外のにおいの付着などにより起こると考えられる。

尿結石

食餌、細菌感染、解剖生理学的要因が関与している。
結石は典型的にカルシウムを主成分(炭酸カルシウムが好発)とするものが多い。
症状は血尿、排尿障害、食欲不振等である。結石は外科的に摘出し、内科的に治療予防を行う。

一覧へ戻る