ウサギのエサ

ウサギは完全な草食動物であり、野生のウサギの餌は野草の茎、樹皮などで栄養が乏しく、粗繊維を多く含んでいる。
その一方で、ウサギの消化器系統は非常にデリケートである。
飼育下ではバランスを考えて下記のようなものを与える。
ペレット野菜、野草、干し草その他(少量の果物、種子類)餌の量はなくなったら足すという方法もあるが、中には食べ過ぎてしまうウサギもいるので、できれば一度に食べ切れる量を1日2回に分けて与えるよう習慣づけると良い。
ペレットには給餌量が明記してある。基本的には干し草を中心に野菜、野草を常に置き、ペレットは日に2回与える。
その他のものはコミュニケーションとして時々与える。

野菜類

【与えても良い野菜】
にんじん、ブロッコリー、パセリ、カブの葉、ちんげん菜、大根の葉、小松菜、サラダ菜、セロリ、みつば、カリフラワーなど

【与えない方が良い野菜】
ジャガイモの芽と皮、生の豆、玉ねぎ、にらなど

干し草

マメ科:アルファルファなど
イネ科:チモシーなど

野草

【与えても良い野草】
タンポポの葉、ノコギリソウ、ヒレハリソウ、ハコベ、クローバー、フキタンポポ、ペンペングサ、アルファルファ、オーチャードグラス、イタリアングラスなど

中毒を起こす可能性がある植物

アサガオ、アジサイ、アマリリス、イチイ、イラクサ、イヌホウズキ、ウルシ、オシロイバナ、オトギリソウ、カジュマル、カポック、カラジュール、キョウチクトウ、クリスマスローズ、ケシ、ゴムノキ、サツキ、サトイモ、サフランモドキ、ジギタリス、シダ、シャクナゲ、ショウブ、ジンチョウゲ、スイセン、スズラン、西洋ヒイラギ、セントポーリア、チョウセンアサガオ、ツツジ、ツゲ、ディフェンバギア、デルフィニウム、ドクゼリ、ドクニンジン、トチノキ、トリカブト、ナツメグ、ヒヤシンス、ベゴニア、ベンジャミン、ホオズキ、ポインセチア、マロニエ、ヨモギギク、ワラビなど

果物

【与えても良い種子類】
大豆、落花生、えん麦、大麦、小麦、ふすまなど(ピーナッツの殻、トウモロコシなどは腐ると発癌性のアフラトキシンが発生する)

ペレット

最近はいろいろなメーカーからウサギ用のペレットが市販されているが、ウサギによって好みも色々ある。
一般的にはソフトタイプのほうが嗜好性が高い。しかし、なるべくなら小さくて硬いハードタイプのペレットが理想的である。
ペレットの大きさとしては、直径0.3~0.5cm、長さ0.3~0.6cmのものが望ましい。
具体的には、小さくて歯をよく磨耗できるような硬いものが良い。
ソフトタイプは軽い咬合力で砕けて、磨耗を行なわないので不正咬合の原因にもなる。
微粉状にしたアルファルファは腸炎を起こしやすいといる報告もある。
不消化な繊維質の存在が、盲腸および結腸の上皮粘膜組織の維持に必要な為であろう。
ウサギはでんぷんを効率よく消化するが、6~7週齢までは消化酵素の働きが十分でないので、離乳後2週間は飼料中のでんぷん含量を15%以下にしておく方が良い。
ウサギのペレットは、通常次の成分を標準とする。

粗蛋白質 大人のウサギの維持では12~15%
成長中の6ヶ月以上では16~18%
妊娠と授乳期では15~19%あるいは20%
粗脂肪 維持では2~4%
成長では3~6%
粗繊維 維持では16~25%
成長では12~16%

ウサギの偏食

餌に関しては保守的で偏食が多いため、幼齢時から適切な多種多様の餌を与える必要がある。

妊娠、授乳中の母親の餌

母親には、妊娠中から多彩で栄養のある食べ物、それにカルシウムとビタミンを加えて与える(ヨーグルトや小松菜など)。
また、母親はたくさんの乳を出さなくてはならないので、多くの水分を必要とする。
ペレットを主食としている場合は特に、出産から離乳までは水を切らさないようにする。

新生仔の餌

新生仔の食餌は、授乳中は母親の乳で十分である。
4週目頃から乳量が減り離乳期に入る。
母親と一緒に餌を食べているようであれば心配ない、食べにくそうであれば、ペレットを砕いて与える。

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